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(一般向け)相続登記の義務化④ -相続人申告登記-

<相続登記義務化の履行のしかた>

前回のコラムでは、相続登記の義務化について、改正法の施行前(2024年以前)に発生した相続についても、一定の期間後に相続登記の申請をしなければならないことを解説しました。

それでは、相続登記の申請が3年の期間内に間にあいそうにない場合は、どうすればよいのでしょうか?(※1)(※2)

オススメの解決策があります。

「相続人申告登記」という新しい手続きです。

 

・「相続人申告登記」とは

改正法により新たに始まるしくみです。

法務局(登記官)に対して、不動産の所有者の相続人が、相続が開始したことおよび自分たちが相続人であることを報告すると、報告をした相続人が相続登記の申請を行ったことになる(申請義務を履行したものとみなされる)という制度です。

一言でいうと、「非常に簡単な相続登記」と言ったところでしょうか。

相続登記をする場合、通常、様々な戸籍や遺産分割協議が必要(※1)ですが、相続人申告登記をする場合、「亡くなった方の戸籍および申請する相続人の関係性を示す戸籍」のみで足りると思われます。

例えば、父・母・子(結婚済み)の家庭で、不動産を父が所有している場合につき、父が亡くなったときを想定してみます。相続人申告登記に必要な書類は、父の戸籍と子の戸籍のみとなります。(※3)なんと、法務局(登記官)に2通の戸籍を提出するだけで、相続登記をしたことになるのです。(※4)

当然、所定の期間(3年間)以内に申告をしなければなりませんが、相続登記自体をすることに比べれば、よっぽど簡単です。また、相続人が複数いる場合でも、特定の相続人が一人で(ほかの人を代理して)申告することができます。

 

※1 相続登記(遺言書がない場合)に必要な書類は、①被相続人の出生から死亡までの戸籍 ③相続人の戸籍 ③遺産分割協議書及びそれに係る印鑑証明書 ④評価証明書などである。被相続人の戸籍の変遷によっては、①の書類を集めるのに1か月~2か月程度の時間が必要となる。また、言わずもがなであるが、遺産分割協議にかかる時間も考慮しなければならない。

※2 そもそも相続登記の申請をすべき義務がある者であっても、正当な理由があって、それを行うことができない者は、過料に処されることはない。ただし、どういった事例が正当な理由にあたるのか(コラム2参照)又は正当な理由となっている事象が解消された場合、どのような取り扱いになるのか、(改正法が施行されていないので)詳細は不明である。

※3 母の情報は、父の戸籍に記載されている。

※4 おそらく法務局所定の書類などへの記入は必要になるものと思われる。

 

★2021年12月2日、一部修正