横浜市の相続専門司法書士事務所

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column

実際の死後事務委任契約の履行②契約から施設入所まで

(前回の続き)

Aさんと契約を締結後、定期的な面談をする中で、Aさん本人より、「自宅を売って、施設に入りたい」という要望を頂きました。

正直なところ、少し驚きました。

と申しますのも「施設入所が一番いい選択肢なのは理解しているが、住み慣れた我が家を離れたくない」というお客様が多いからです。

 

確かに、Aさんは足を悪くされており、買い物に難儀(生協を使っていました)し、広すぎる自宅も掃除できずに持て余しているいるようでした。

しかし、(安全かどうかはさておいて)独居が継続できないというほどではありません(※)。

当職から「自宅を売却したら、もう買い戻すことはできませんよ」とお伝えし、慎重に判断すべき旨をお伝えしましたが、快刀乱麻を断つとはまさにこのことで、「元気なうちに、終の棲家に移りたい」というAさんのご要望は変わりませんでした。

Aさんのこれまで歩んできた人生経験(プライバシーのため割愛しますが)に基づく決断だったようです。ご自身の状況を的確に把握していらっしゃったことに感服した記憶がございます。

 

何はともあれ、当職は、見守り契約から一転して、「老人ホーム探し」と「不動産売却先探し」を行うこととなったのです。

(続く)

 

※客観的に見ても独居が継続できないのに自宅にこだわり続ける方もいます。後見人等であっても居所を決定する権利はございませんから、困ります(困っています。)。